妄想の巨人

 

作品紹介

 

"演出あるメイキングを映画に仕立てる"──とは?
押井監督が紡ぎ上げた、新シネマ・ヴェリテの誕生

 

ダンボールの操縦桿を握った
かつての少年達に贈る
妄想と自虐を鉄人に込めた
壮大なファンタジー!!

 初の舞台演出のタイトルが決まるのとほぼ時を同じくして、押井監督は映画版『鉄人28号』を提案する。企画書に記されていたのはプロットとキャスト表のみ。俳優を起用するのは主人公の女性スチルカメラマン役だけで、他は全て舞台版の俳優陣やスタッフ──押井監督が目論んだのは、"演出あるメイキングを映画に仕立てること"だった。
 「2008年秋。その公演を翌月に控え、『鉄人』は予期せぬ困難に直面していた。初の舞台演出に意欲を燃やしていた映画監督・馳戸(はせど)護は、夏を過ぎた頃から情緒不安定に陥り、立喰いする、女優の臭いを嗅ぐ等の奇行が目立つようになり、立稽古を前に忽然と姿を消した。」と始まるプロット。舞台『鉄人28号』の準備や稽古の様子をメイキング映像に収め、並行して映画の撮影も行われたが、ついに脚本が上がることはなく、撮影用と編集用に一度ずつ改訂されたプロットだけでこの映画は完成へと向かうことに。様々な新技法で映画を作り出してきた押井監督から、またひとつ、フィクションとドキュメンタリーを混在・融合させた"新しいシネマ・ヴェリテ"が誕生したのである。(※シネマ・ヴェリテ=自然や市井の風物や人々を撮影して映画にする手法)
 そんな奇怪な作品とあってか、押井監督としては珍しく、主役オーディションを決行。『東京ゾンビ』以降数多くの映画に出演し、ドラマ、PV、CM等でも活躍する奥田恵梨華が主人公を演じ、水橋研二、柏原収史ら多くの俳優が作品を彩った。
 舞台『鉄人28号』の現場付きスチルカメラマンの言子(あきこ)は、稽古場などで時折、正太郎を思わせる少年の姿を見かけるようになるが、そんな矢先、演出の押井監督が失踪してしまう──。果たして、この物語はどんな結末を迎えるのか……。

 

『28 1/2 妄想の巨人』(にじゅうはっか・にぶんのいち・もうそうのきょじん)

2010年度作品/カラー/16:9フレーム/ステレオ/上映時間:74分

 

 

フッター